小津安二郎「早春」

読書から映画鑑賞に

こんにちは。便利屋トータルステーションの齋藤です。

いまのネット社会というのは本当に便利ですね。

ふと観たくなった映画があれば、ネットを開いて数回クリックすればその場で観れてしまうんですよ。

もはや当たり前になったこのご時世ですが、本日その利便性を再認識しました。

昨日、こんな本を読んでいたんです。

[amazonjs asin=”4047317535″ locale=”JP” title=”僕たちの居場所論 (角川新書)”]

私の大好きな作家のひとりである内田樹先生のご本。

半径100mからグローバリズムまで、「ひとのつながり」について様々な視点で語られている鼎談です。

その中でちょろっと小津安二郎の映画のことに触れるくだりがあるんですよね。

それを読んでいるうちに、

観・た・い

という欲求が抑えきれず、読書も中断。

Amazonプライムにアクセスして即レンタルしてしまいました。

 

小津安二郎「早春」

[amazonjs asin=”B07BMX142R” locale=”JP” title=”早春 デジタル修復版 Blu-ray”]

120分超のボリュームたっぷりの作品です。

映画の概要はこちらを参照

小津安二郎監督の映画をまともに観るのは、初めてでした。

ほとんど予備知識もないまま鑑賞したんですが・・・

正直、小津作品がこんなに良いものだとは思っていませんでした。

 

主演の池部良が、カッコいい

戦後10年ほどたった頃の東京の丸の内で働く、サラリーマンとOLそしてその家族を淡々と描いた作品です。

当時の映画としては珍しく、「不倫」というテーマがベースとなっています。

当時は不倫という表現はなかったのでしょうが、その不倫男を演じるのが池部良。

私にとって彼は「昭和残侠伝」の風間重吉のイメージが強すぎて、本作のようなある意味だらしない男の役に違和感はありました。

それでも、池部良の存在感は格別。

煮え切らない男の苦悩をクールに表現する彼の演技力に脱帽です。

 

脇を固める高橋貞二がクセになる

高橋貞二の役柄は、主人公の友人。

お人好しでゆる~い雰囲気を持った、なんとも掴みどころのない男。

独特のセリフ回しで、のらりくらりとした受け答えをする。

でも、仲間内から集中攻撃を受けてる友人をかばうような男気を見せる一場面もある。

彼のセリフの独特のイントネーションが頭から離れません。

 

タバコのシーンがハンパない

時代のせいかもしれませんが、喫煙のシーンが以上に多い・・・

私は愛煙家なので不快には思いませんが、出演者の殆どが、息を吸う用にタバコを吸っているんです。

ことあるごとにタバコ・タバコ・タバコの応酬。

タバコが生活の一部として認識されていたと言ってもいい時代があったことを再認識させられます。

つまらないところに感慨を抱いてしまいました。

 

終わりに

岸恵子の悪女ぶりとか、浦辺粂子のおでん屋おばちゃんの雰囲気とか、見どころはまだまだたくさんあって、ここでは書きつくせません。

気が向いたら、またこの映画を観て、ボソボソと感想を吐き出したいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。